こんばんわ、羽田野直子です。
立春目前の雪!びっくりしましたね。
早いもので1月があっという間に通り過ぎてしまいました。
1月はとうとう一度も映画館や試写室に行けませんでした。
こんなことは初めてです。
というのも、昨年私としては生まれて初めての
アニメ映画の脚本を書いて、その「絵コンテ」なるものに
詳細に目を通していたのです。

絵コンテは三鷹の森ジブリ美術館で
宮崎駿さんのを見たことがあります。
でも自分の書いた脚本をもとに描かれてあってしかも、
秒数やコマ数をカウントしながら・・・
というのはたいそう時間がかかって
思った以上に神経の集中を要し、
他の映画を見るのに気持ちが向かわなかったと
いうのが正直なところです。

 

もともと私は脚本を書いているときには
他のジャンルの美術や音楽に興味が向かいます。
同じジャンルのものはそちらに引きずられて
影響され過ぎるような気がして無意識に避けてしまうのです。
とはいえ映画館や試写室に行かなかっただけで
DVDで映画はいくつか観ました。
私の年中行事のひとつ、お正月に「ゴッドファーザー」を
3本通して観るというのがまずありますし。
3本通すと約10時間!ですから時間と気力に余裕があり、
しかもお料理をしなくてもいいお正月になってしまうのですが、
そもそも数年前にパート3を友人のグラフィックデザイナー事務所の
新年会で観て以来、あの壮大なる家族大河ドラマはお正月にこそ
ふさわしいと思ったのがきっかけでした。

 

いま教えに行っている映画学校でも時々感想文を書かせます。
女子学生や気の弱い男子学生には「単なるマフィアのドンパチ」という
偏見を持っている人が多くて、あとで「観て良かったです」と
感謝されることが多いのです。

ある小説やお芝居や映画を定期的に鑑賞する—向かい合う—と
いう行為を私は「定点観測」と呼びます。

去年までは気がつかなかった視線や情動を自覚し、
そのことによって自分の中のあらゆる変化に
気づかされるという意味で。

みなさんも試してみてください。

 

別ジャンルと言えば、1月半ばに
建築家槇文彦さんの展覧会の内覧会に出掛けました。
会場は代官山ヒルサイドテラスの中のヒルサイドフォーラム
(この建物も槇さんの代表作のひとつです)。
槇さんの建築作品はalternativeでconceptualな
今どきの建築の潮流とは一線を画していて
何よりまず既存の街並みとの調和を考える、
上質で完成度の高いものを指向しています。
みなさんがご存知の建築は幕張メッセや
慶應湘南台キャンパス、千駄ヶ谷の東京体育館でしょうか。
今回は昨年までに北米やヨーロッパで竣工した
プロジェクトが図面や模型で展示されています。
私はペン大のパブリックポリシーセンターのガラスの
カーテンウォールと木製パネルによるダブルスキンの
表現がとても好きでした。
今月いっぱい無料で見られますから、
興味のある方はどうぞ。