Posts Tagged ‘milk’

あまり好ましい視点とは思いませんが、世代論でいうと私たちのように大人になるかならないかでバブル景気を経験した世代はいわゆる世間でいうところのヘタレだそうです。
ものの見方や先の見通しが甘いという点で。
確かに私たちが若かった頃は今とは全く異なっていわゆる「イケイケ的」な空気に満ちていたように記憶しています。
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SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の代表格であるフェイスブックが新規株式公開を申請して、その時価総額が日本でいうとトヨタに次ぐNTTドコモクラスの規模になるだろうと、先日のニュースで大々的に報道されていました。
フェイスブックについてはデヴィッド・フィンチャーが映画『ソーシャル・ネットワーク』で当時ハーバードの学生だったマーク・ザッカーバーグがフェイスブックを立ち上げた話をまるで良くできたトークショウのように描いています。
現在、弱冠27歳の彼は幾度か取沙汰された大企業による買収話を断っていまもCEOに就いています。

他人事のように書いていますが、私もフェイスブックを、そして広義のSNSであるツイッターを日々活用しています。
フェイスブックは「友だちになる」「いいね!」というフレーズにいまひとつ馴染めずにあまり活用できていませんが、ツイッターに関しては必要な情報の端緒の大部分をそこから拾っています。
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年末に続いてショックな訃報が届きました。
ギリシアのテオ・アンゲロプロス監督が『エレニの旅』で始まった三部作の完結編『The Other Sea』の撮影中だったのに非番の警官が運転するバイクにはねられ、運ばれた病院で亡くなったというのです。
新作が完成して公開されるのを心待ちにしている何人かの監督の中でもアンゲロプロスは別格の尊敬の対象でしたから、最初はその事実を受け止めることさえできずにベッドでお布団を被り数時間茫然としてしまいました。
そしていまだにその不在が現実のものと思えず、大切な故郷が消失したかのような喪失感に苛まれています。
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新しい年を迎えました。
昨年は辛いことの多い年でしたが、これからの一年は良い年でありますようにと願わずにはいられません。
自分にできることは些細なことしかありませんが、だからと無力感に囚われて手も足も出さないのではなく、その小さなひとつひとつを丁寧にと心がけていこうと思います。

昨年はツイッターというソーシャルネットワークを通して「映画好き」という共通点を持った人たちと知り合うことができました。
皆さん私よりも年下の、映画とは別のお仕事をしながら余暇の睡眠時間を大幅に削ることで映画に費やす時間を捻出しているひとが主です。
彼らとたくさんの映画を見たり、話をすることで私の映画を見るレンジが広がってきたのは我ながらうれしいことです。
今年もたくさんの映画を見て、世界の広さや文化の多様性、人間の生の深淵さを感じられたら…そしてそれを少しでも皆さんに伝えられたらと思っています。

先日『タンタンと私』というドキュメンタリー映画を見て来ました。
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「もう幾つ寝るとお正月…」という歌の時期になりました。
でも今年は年の暮れになってショックなことが起こり、それどころではありません。
30年近くもお世話になってきた師匠の市川森一先生が、
12月10日にお亡くなりになったのです。

11月の半ば過ぎにお電話で元気なお声でしたから信じられず、悪い夢を見ているようでした。
12月20、21日の青山葬儀所でのお通夜と告別式を立派にと頑張っていたその目標をたくさんの方たちのお蔭で果たせたあと、いまは虚ろな心でいます。
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あなたはどういうときに自分の年齢を感じますか?

私が最初に「あっ!」と思ったのは高校野球のお兄さんたちが年下になったときでした。それからお相撲さん…、そこからはあれよ、あれよという間にどんどん歳月は流れて最近は教え子の親御さんがもはや同世代ということになって、街や電車の中で赤ちゃんを連れている若いママを見て、「大丈夫?子どもが子ども連れてて…」とすごく心配になる始末です。

そうなのに、いえつまりもう十分歳を取ったというのに、自分にはまだまだ子どもっぽいところもあちこち残っていることを自覚していますから、相手がたとえ小学生でもきちんとしたことを言ってくれれば「生意気だ」なんて思わずに素直に頷きますし、むしろ「近頃の若い子は…」と悲観しなくていいことを喜びます。

『ハラがコレなんで』 
1983年生まれの石井裕也監督の作品を見てきました。
前作『川の底からこんにちは』が良かったと聞いてずっと気になっていましたから期待して試写に行ったら、近年稀にみる痛快な作品でした。

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私には不思議な念力があります。
ちょっと尊敬していて、実物に会ってみたいなと思うひとに偶然に電車の中やレストランなどで会えてしまうのです。

松本清張、武満徹、谷川俊太郎、吉田喜重…
そうしてドイツ人で日本には滅多に来ないのだから絶対会えるはずもないと思っていた、
ヴィム・ヴェンダース。
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6月 30

羽田野直子です

Posted by kakusigoto-ya02 in エッセイ

青山真治監督の『東京公園』を見てきました。
かすかにタレント色をまとったキャストを見て「はてさて…」とスクリーンに向かいましたがそんな懸念は映画が始まってすぐに払拭されました。
TVで見たことのない三浦春馬が榮倉奈々が、見事にそこで自然に生きていたのです。
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 久しぶりにこってりしたイタリア映画を見ました。
マルコ・ベロッキオ監督の『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』です。

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ここ数年、教えに行っている映画学校の新学期が始まりました。
以前行っていた大学の映画学科でもそうでしたが、何年か続けていくとあらゆる意味での学生の力というものに、学年ごとで波があるとわかってきます。
2年生には映画概論の講義、3年生には脚本ゼミをというスタイルでやっていますが、今年の3年生がちっとも教室に来ないのです。

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