羽田野直子です。
受験シーズンまっただ中ですね。
先月、近所に住む中3の男の子から珍しく電話がかかって「直ちゃん、勉強見て」と言われました。
彼とはもうかれこれ10年以上の付き合いになります。出会った頃はまだおむつをつけていたのにいまでは並ぶと私より背が高くなっています。

お姉さんと弟の間に挟まれて育ったせいか、なかなか我慢強くてやさしい子です。近所の子どもたちと遊ぶときも彼がリーダーで小さい子のめんどうもよく見ていました。
部屋で仕事をしているとみんなで遊んでいたのに小さい子の泣き声が聞こえてきます。
「こらーっ、弱いものいじめをする奴は人間のクズだぜ!」窓を開けて大声で怒鳴ると、ニコニコ笑って「直ちゃん、遊べないのぉ?」とよく誘ってくれました(小さい子はひとりで転んで泣いていることが多かったのですが、「弱いもの・・・」のフレーズは子どもの頭に叩き込んでおく必要があります)。「宿題が終わんないの・・・」と悲しそうに言うと「明日も遊べるよ!」と励ましてくれたものです。
彼のママからも頼まれて入学試験までの3週間弱、英語を見てあげました。
もう大学生になった彼のお姉さんの中学受験の時に12月からつきっきりで頑張って、何とか成果を出したから信頼が厚いというわけです。でもいくら何でも20日足らずの短期間で出来ることは限られています。

 

これはすべての子どもに有効とはいえない私なりのやり方です。
しかも結局はその子の個性があって向き不向きがありますから、万能ではありません(が・・・・・・)。
まずは「試験は喧嘩だと思いなさい」と強く言います。
喧嘩に勝つには相手の出方を見抜くのが大事です。つまり目の前の問題は何を問おうとしているのか、どうやってこちらを引っ掛けようとしているかを冷静に見抜け!ということです。
子どもは往々にして本番であがることもありますからあらかじめばかばかしいことを何度も言います。試験場で思い出し笑いをさせて平常心を取り戻させるために。
次に出来れば受ける学校の過去問題を朝から受験と同じ時間割で1日かけて予行します。
そうして採点し、その子の弱点を把握してそこを重点的に意識させるのです。
近所の彼の場合は英語だけしか見てあげられないし、他の家庭教師の先生とすでにしていたようなので、別の問題を解かせてみました。頭の中で英文法が体系化されていなかったからそれを何度も図にしたり表にしたりしました。あとは単純ミスが結構あったので、答案を出す前のチェック事項を箇条書きにさせて、そうしたミスをすると軽い頭突きや脇腹をくすぐったりしてさらに注意を喚起しました。
試験までの期間が短い場合、自信を持ってもらう方向に注意を喚起するのは常套手段です。褒めて伸ばすことが肝要です。
但し、気が抜けることもあるのでたまには脅しも必要です(笑)。

 

そうして・・・あとは神頼みです。
今年も湯島の天神さまにお札をもらいに行きました。
ここのお札をあげて駄目だった子は未だひとりもいません(プレッシャー関係無しの呑気な子にはそう伝えます)。
そこで一句・・・

 

鈴生りの絵馬を尻目に梅薫る

 

GOOD LUCK!