今年の1月からtwitterなるものを始めた。
始めのうちは何が面白いのか?な感じだったが、そのうち暫くご無沙汰していた人と繋がって、またそのお知り合いと、相互フォローの関係になって、何か新しいコミュニティーが育まれていく感が楽しくなってきた。
だいたい生まれてこのかた、日記は三日坊主、手帳にスケジュールを書き込むのも乱雑・・・そんな私が(つぶやかなかった日もあるが)ともかく8ヶ月続けてきたから、すごいもんだ。

 
気軽につぶやいているが、途中からTwilogというサービスと同期させたので、そっちを見るとつぶやきのログがたまって、あたかもブログの体になってきた。これも便利だ。
Twilogをやるようになって、twitterが一種、備忘録になりつつある。


とりあえず、「メモ帳の片隅に書いておく」くらいの気持ちで、思いついたこと、気になったことを書いておくのだ。
自分では忘れても、Twilogを見たら思い出す。
映画のこととか音楽のこととか、アートのこととか、気になる人物の名まえとか・・・。
もっともWEB上で誰でも読める備忘録だから、支離滅裂なメモというわけに行かないが、暗号めいたものは意図的に楽しいかもしれない。

 

さて、twitterでのもうひとつの楽しみは、他の人のつぶやきを辿ることで、新たな知識が得られたり、新たな感性と出会ったり、新しい発見があること。
そのひとつにtwitterで@hnaomilk さん(カクシゴトヤの羽田野直子さん)のつぶやきから知った橋本公(いさお)さんというアーティストの作品がある。

 
彼の作品や彼の経歴について、調べてみるとtwitter上で既にいろんな人がつぶやいたり、RT(リツィート)している。
それほどインパクトがあって、反響がある作品とは、核廃絶をテーマとした三部作で、以下の通り。
“1945-1998” (世界中で行われた核実験を世界地図上に視覚化した作品)
“Overkilled” (斬新な発想で核の脅威を訴えた作品)
“The Names of Experiments” (パッヘルベルのカノンをBGMに核実験の名前が羅列される作品)

 

核廃絶を訴える映画やドラマもいくつかみて、深く心に刻んだが 、この3部作ほど背筋が寒くなり、地球と人類の痛みを、“痛感”した創作物はなかったかと思う。
パチンコ玉で、こんなに戦慄の映像が作れるとは!
作者の橋本公さんは金融関係にお勤めだったが40代で一念発起、美大で学ばれてアーティスト活動を始められた。
ネット上でみつけた経歴を読んで同い年とわかった途端、さらにシンパシーを感じた。
表現者の端くれを名乗る私を大いに鼓舞する存在となったのである。

 

橋本公さんの作品も、そして彼のアーティストとしての活動ももっと多くの人に知られるべきだろう。
もっとも、ネットで検索したら、世界平和アピール七人委員会によって、潘基文国連事務総長やバラク・オバマ米大統領のもとにくだんの3部作が渡ったことも判明した。
“1945-1958”はCTBTO(包括的核実験禁止条約機関準備委員会)のサイトにも公開されている。

 

私は、不勉強で最近まで、橋本公というアーティストも、彼の作品も知らなかったし、世界のトップに作品が渡されたことも知らなかった。
きっと新聞記事になってたのだろうけど、うっかり見逃していた。
けれども、こうした作品は、もっと、もっと世界中の誰もが当たり前に知ってて、戒めとするメッセージとして周知される価値があることだと思う。

 

さて、私は絵は描けないは、踊ったり唄ったりは好きだけど、ひとさまからお金をいただけるほどの才はない。
いままでやってきた生業は、紙と鉛筆で文章を綴ること(今は、パソコンのキーボードだが)。
そんなシンプルなことではあっても、人の心を突き動かす大きなムーブメントが生まれるきっかけになれる。
昔からわかっていることだけど、橋本公さんの作品と出会って、今一度、身が引き締まる思いがしている。
(・・・ダカラ、トツゼン、ダイエットヲ、ハジメタワケジャア、ナイヨ)