野澤和之監督作品『61ha 絆』のお知らせです。

 日程   2012年6月21日(木)~6月27日(水)
上映   14:00~/19:00~(いずれも30分前開場)
場所    Casa Mozart (カーサ・モーツァルト)
問合せ  61ha.info@gmail.com    090-6527-1490

 詳しくは、チラシをクリックしてください。
拡大します。
 
 
 
瀬戸内海に浮かぶ島・大島
東條康江と夫の高は
ハンセン病療養所「大島青松園」で暮らす夫婦。
目は見えず、不自由な体のリハビリを懸命に続ける妻に寄り添う夫。
15歳と18歳で島に来たふたり、結局島を出ることができなかった。
わずか61haの島の生活は60年以上に及ぶ。
辛いときにも、嬉しいときにも、ふたりの生活にはいつも歌があった。
命を救ってくれた神に祈り歌う、賛美歌。
全国の療養所仲間と集うカラオケ大会で歌う、歌謡曲。
三十一文字にすべての思いを込めて紡ぐ、短歌。
それらはみな、ふたりが生きてきた証。優しい愛に溢れている。
 
 
 もともとは、渚あまね嬢の紹介で知己を得た映画監督・野澤和之さん。
「硬派なドキュメンタリー」畑でノンフィクションを撮り続ける野澤さんと、
「かるい&あかるいノリ」のさらだたまこでは一緒に仕事をすることはなかろうかと思っていたのですが、
日本のさまざまな文化を海外に発信するコンテンツや、
日本に留学している高校生の日常を追うプログラムの制作でご一緒して、
野澤監督の温かい人柄と頑固一徹の作家性のあいまった不思議な魅力にとりつかれるとうになりました。
お会いして間もない頃、見せていただいた「マリアのへそ」という映画にいたく感動しました。
フィリピンのストリートチルドレンのマリアの日常を描いたノンフクションなのですが、そこには、子どもの頃読んだ『白雪姫』とか『人魚姫』『シンデレラ』といった女に子だったら一度は夢中になる世界と共通する〝寓話〟を見出し、心の柔らかい部分にじんときたのでした。
野澤監督のカメラを通した視線は、いつも〝温かい〟のです。
ひげ面でぶっきらぼうなおっさんの風体ですが、意外なほど〝温かく〟て。
しかし、触れてみたとて〝温かいけど柔らかくない〟のです。
ごつごつと、ざらざらとした分厚い皮膚をかぶっていて、それを剥いて中に突っ込んでいかないと、
監督の作家性の中にある柔らかい部分には届かないのです。
そこに到達するには、
自分が人生で積み重ねてきた教養や理性が必要です。
私は、まだそれが足らなくて、野澤ワールドのコアなところまでまだ届きそうにありませんが、
しかし、作品を観れば、あちらから私の殻を破ってくれることがあります。
新作、『61ha 絆』は、重いテーマの作品です。
しかし、初めてラッシュを見たとき、冒頭の5分で、
主人公の康江さんの魅力に圧倒され、
そして、高さんとの飾らない、夫婦の在り方に、心が洗われました。
私はずっと独身で、いまだ人生の連れ添いをみつけるにいたっていませんが、
夫婦って、そうなんだなあ、としみじみ思って、目頭を押さえて暫く
呆然としていました。

もし、ご覧になる機会がありましたら、
『出会えてよかった作品』のひとつになると、思います。
私は、この映画の制作スタッフの一人ですが、
映画の広報係をコツコツやっていくつもり。
爆発的ヒット作とは対極にある、ロングテールで
多くの方に観ていただけますように!

最後に、野澤監督のプロフィールを。

 野澤和之 新潟県出身。
立教大学大学院文学研究科修了。
短編・記録映画の助監督、監督を経てドキュメンタリーの世界へ。
文化人類学を学んだ経験から文化・社会の周縁にいる人々を描いた作品が多い。
ドキュメンタリー映画の代表作に
在日韓国人女性の半生を描いた「ハルコ」(2004)
フィリピンのストリートチルドレンを描いた「マリアのへそ」(2007)
テレビ番組では、「涙の川、野宿の夫婦愛」(1996 ギャラクシー賞奨励賞)
「引き裂かれた在日家族」(2003年ギャラクシー賞奨励賞)ほか多数。